プライド 2021:スタジオトーク

フロとオスカーと座談会!

みなさんにとっては関係ない事かもしれませんが、著者は誰かと腰を落ち着けて、ジャガイモ以外の重要トピックについて会話をすることもできます。今回は同僚ふたりとプライド、彼らのアイデンティティ、そしてゲーム業界における立場について話すことができました。今回の対話は本当に実りあるものとなりました。分かち合いの精神を持って、この記事をプライドの夏の一環としてみなさんにもご紹介させていただきます!

では、自己紹介をお願いします。

Flo (フロ):こんにちは!フロです。オンラインでは Nekofresa という名前も使っています。担当業務は 2D/UI のデザインで、Mojang Studios ではマインクラフトのドット絵とアニメーションを担当しています。ゲーム業界歴は結構長いですね。仕事以外だと、かわいらしい絵を描くのが好きだったり、ミニゲームを作ったり、作曲したり、自然の中を歩いたりするのが好きです。それから、かわいい植物たちを枯らさないように頑張っています。そして、この企画に参加したのは、私がノンバイナリー、つまり男性・女性どちらか一方の性に属さない立場であるためです。周りの人には男性として見られても、女性として見られても構いませんので、みなさんの好きなように呼んでもらっています。相手が私から受け取る印象で呼び方を決めてもらいたいのです。

Oskar (オスカー):オスカーといいます。私は Java 版 Realms でクリエイターが作ったコンテンツを紹介する仕事をしていて、マップクリエイター達が送ってくれるマップをレビューしたり、クリエイターたちと連携してマップをリリースして、ユーザーのみなさんがプレイできるようにしています。以前自分でインディーゲームのスタジオを運営していたので、コミュニティメンバーの独創的な作品が他のユーザーの目に触れるようにする仕事はとてもやりがいがあります。プライベートではアバンギャルドな映画や音楽のオタク道をとにかく深く突き進もうとしている感じですね。それからたまに RPG ゲームで遊んだりもします。

マインクラフトのようなゲームにおいて、アイデンティティがどのように描かれているかについて、どう考えていますか?

フロ:ゲームというのは、誰もが楽しめるものであるべきだと思います。これはゲームクリエイターの責任だと感じています。近年は世の中がよりオープンにはなってきましたが、エンターテイメント業界は、まだ閉鎖的な面があります。特にゲーム業界がそうですね。今の時代は、性のアイデンティティに悩む人の話を毎日のように聞きますよね。子供のころ、感情移入できるキャラクターがなかったり、自由に自分らしく生きてもいいと誰にも言ってもらえなかった人たちの話を。逆に、そんな人たちと同じタイプのキャラクターがゲームやテレビ番組などで取り上げられて、彼らの人生や自己構築にプラスの効果をもたらしたという心暖まる話も聞くようになりましたね。ゲームには現代社会が反映されていないと言う人もいますが、私はその意見には反対です。ゲームは現代社会と密接に関係しているんです。私自身の存在や、親愛なる LGBTQI+ コミュニティの存在が、一部の人達に議論されたり否定されたりしているため、我々がゲームを制作している限り、必然的に社会問題が作品に反映されるのです。議論されないという贅沢な選択肢は今のところなく、社会が我々を強制的に議論されるべき存在にしています。そしてゲームも表現する手段ですから、同じようにゲームも社会と密接していると言えるでしょう。例えばゲイのキャラクターをゲームに登場させることで、子供たちに、ゲイであることは普通なんだよと伝えることができます。そして私たちゲームクリエーターにとって、それは果たさなければならない義務なのです。

Mojang Studios ではマインクラフトを通じて、できる限り差別のない安全なプレイ環境を作ろうと努力しています。それは形だけのものではなく、マインクラフトの DNA に刻み込まれているものです。どんなプレイヤーにも安心してプレイしてもらえて、自分自身の存在が受け入れられている・認識されていると感じられるようなゲームにしたいのです。我々はマインクラフトそのものがコミュニティにとって安全な場所であってほしいと願っています。そしてコミュニティというのは、もちろんプレイヤー全員を指していますが、私が属する LGBTQI+ コミュニティのことでもあります。

私たちはマインクラフトを更に差別のない安全なゲームにしようと日々努力しています。結構目標に近づいている気がしていますね。例えば、小さなことかもしれませんが、マインクラフトに登場する全てのエンティティには性別がありません。牛や村人やクリーパーに性別がないことによって、自由にプレイヤーそれぞれが想像力を働かせられるのは魅力的だと思います。

安全でオープンな職場環境を構築するにはどうしたらいいでしょうか?Mojang Studios ではその目標を達成できていると感じますか?

オスカー:オープンな職場環境をという目標を完全に達成することはできないと思います。全ては従業員の振る舞いにかかっていますので。ひとりひとりの考え方はコントロールできるものではないですし、性別やセクシャリティなどの違いを考えすぎると、人によっては違和感が拭えない気持ちになるかもしれません。結局はみんなが心を開けて、居心地がいいと感じる職場環境が一番だと思います。例えば従業員が残業ばかりしていて、自分の仕事が尊重されていないと感じていたら、職場の雰囲気がギスギスしてしまうことだってありますよね。

フロ:安全でオープンな職場環境は、みんながイニシアティブを取って始めて達成できるんです。だからこそ、マイノリティの人たちが毎日どんな問題に突き当たるのか、どのような自覚なき差別に耐えているのか、そしてどんな暴力にさらされているのかなどといったことに耳を傾けることから始める必要があります。まずは、ありのままの彼らを受け入れて、彼らの人生や苦難を理解するところから始めるのがいいと思います。そうすれば、彼らが安心して働ける職場を構築するのに何が必要なのか、おのずとわかってくるはずです。

私は Mojang Studios ではそれが達成できていると思います。私は自分らしく働けていますし、気分によって好きな服を着たり、メイクやネイルをして出社することもあります。そして、改善できることはすぐに改善に向かって動ける土壌があります。ありふれた発言で、人によっては大した問題じゃないかもしれませんが、とにかく自分らしく働けているこの現状がありがたいんです。とにかく安心できる環境なので。自分自身を抑えて働いていたら、精神的に大きな負担になってしまいますよね。それに、そんな事をしていたら Mojang Studios では働けないと思います。安全で差別のない職場環境は、私にとって必要不可欠なのです。

ジェンダー・アイデンティティに迷っている人に対して何かアドバイスはありますか?

フロ:もし自分のアイデンティティに悩んでいる人や、心の奥底では自分のアイデンティティはわかっているけど、周りの人に伝えられずにいる人には、こう言いたいです。何よりもまず、自分に価値がある事を忘れないでください。時間を掛けて考えても構いません。自分のアイデンティティを探る中で、時には怖くなってしまうことだってありますが、最後には人生ってすばらしいものだと思えるはずです!ひとたび理解できたら、全てに納得がいくと思います。そして、胸がスッと軽くなるでしょう。アイデンティティは誰かに決められるものではなく、自分で決めていいんです。そして時間が経ったらまた探り当てて、自分の定義を変えたっていいんです。そこに間違いなんてないんですから。それから、例え自分がどんな人間だとしても、愛されていることを忘れないでください。LGBTQI+ コミュニティはいつだてあなたの味方です。我々は一緒に強く美しく行動し、あなたが自分自身でいられて、自分に誇りを持てるような場所を提供します。コミュニティはあなたが選んだ、あなたを受け入れて愛してくれるファミリーですので、幸せでいられるようにサポートしていただけます。

オスカー:他の人にどう言われようと、自分のアイデンティティに誇りを持ってください。長い間、自分のアイデンティティを隠していた果てにカミングアウトするのは実に大きな励みとなります。ただし、カミングアウトするかしないかを決めるのも自分自身であるべきです。カミングアウトもすばらしいですけど、他人に公表しないという選択も間違ってはいません。誰かに言っても言わなくても自分は自分です。

オスカーとフロが座談会に参加してくれたことに感謝します。みなさん大きな拍手を。彼らの数々の名言にも感謝しないといけませんね。現代社会をいい方向に導くためにみんな頑張っていますが、多くの人たちにとって、それは簡単な事とはかぎりません。アイデンティティに迷ったことがない人もいる一方で、アイデンティティを見つけ出すまでに長い時間がかかる人もいます。どちらにせよ、あなたのアイデンティティには価値があって、特別で、誰のものでもない、あなた自身のものなのです。

著者:
Minecraft Japan Staff
公開済み

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