QUEERCRAFT をご紹介

10 年も前から、Queercraft は LGBTQ+ コミュニティに所属するマインクラフト プレイヤーの活動と支援の場となっています。サポートを受けながら安全に楽しめる場所なのです。2012 年に Beaupedia によって設立されたこのコミュニティは、建築の凄腕をもつプレイヤーやとにかくフレンドリーな人々が集まり、共に様々なイベントを開催しています。

しかし、残念ながら、LGBTQ+ の人々は、特にオンラインゲームという世界では未だに差別に直面することがあります。そこで Queercraft は、誰に対してもオープンで、公平で、理解のある空間を作りたいと考えました。「性的マイノリティ (Queer) の問題に関しては、社会としてずいぶん進歩はしたと思っていますが、インターネットではまだいろいろな課題が残っています」と Beaupedia は言います。

当時は、マインクラフトが誕生して まだそれほど長くはありませんでした。Beau と友人がマインクラフトを試していたところ、パブリックサーバーの存在を知り、すべてのLGBTQ+ の人たちが一緒にプレイして知り合えるよう、パブリックサーバーを立ち上げたのです。「数ヶ月ぐらいでやめようと思っていましたが、まさか 10 年後の今も続いているとはね！」

Queercraft のメインサーバーはサバイバルサーバーで、コミュニティのメンバーによって作られた様々な建築で埋め尽くされています。多くのプレイヤーはマップアートを作ることが好きで、ブロックをうまく並べて、マップ上で絵に見えるように工夫しています！「マップアートは多くの材料と時間を必要としていて、慎重に計画しないといけません」と Beau は説明します。しかし、Beau は自分では作らないそうです。「私にはそんな才能もないし、忍耐力もないんです！」

「マップアートは自分の興味のあることを表現できる素晴らしい方法です」と Beau は言います。そして、サーバー上で友達を見つける方法としても活用できます。たとえば、誰かが好きなテレビ番組のキャラクターをテーマにした作品を作れば、そのテレビ番組について話せそう！と他の人は思います。そして、もちろん、多くのマップアートはプライドをテーマにしていますので、サーバーのメンバーは現実世界ではできなかったりする形で自分自身を表現することができます。

サバイバル ワールドの新規プレイヤーは、ツアーでサーバーに迎え入れられます。クッキーを無料でもらえたり、Marble (マーブル) という通貨でアイテムを購入できるマーケットについて説明してもらえたり、コミュニティセンターに案内してもらえます（なんと、コミュニティセンターでは、新規プレイヤーのために寄付されたアイテムを手に入れられます！）。
そして自分たちの家を建てるまでの間は、7 泊できる宿で部屋まで用意してもらえます。

「そのあとは、新プレイヤーを図書館に連れて行きます」。 図書館では、プレイヤーはサーバーやマインクラフト全般について学べるそうです。「マインクラフトはずっと前からありますが、それでも始めたばかりという人もけっこういます」と Beaupedia は説明します。だからこそこの図書館では、自分が何をすればいいかよく分からない人がゲームを進めるために必要な知識を入手できます。

そして最後は、歓迎会です。物理的な距離による制限のないチャットを通じて、オンライン中の誰もがプレイヤーに挨拶をすることができるのです。「すごいんです。あの瞬間が大好きなんです。オンラインのプレイヤーがみんな『ようこそ！』や『会えて嬉しい！』といったメッセージを送ってくれるので、チャットが歓迎の挨拶でいっぱいになります」

Queercraft の寛大な雰囲気が、10 年以上続いているコミュニティを作り上げてきました。やめた人もいれば、10 年間ずっと参加している人もいます。「13 歳のときに参加した人が、今では 23 歳になっていて、子供もできていたりするんですよ。信じられないです」と Beaupedia は言います。

Queercraft は他にもサーバーを運営しています。例えば Pixel は、その名の通りピクセルアートが作れるサーバーで、Mars は宇宙や SF をテーマにしたサーバーです。毎週開催されるイベントでは、プレイヤーは自分の友人や恋人、家族に捧げる曲をリクエストすることができます。また、DJ イベントもあり、プレイヤーが踊ったり、天井からレアなアイテムをぶら下げていたりするのです！「毎週行われるこのイベントは、コミュニティのコアイベントとも言えます。毎週プレイヤーがここに集まります」と Beaupedia は言います。

しかし、Queercraft はマインクラフト内の活動にとどまりません。Beaupedia は、Prismという非営利団体を設立し、LGBTQ+ コミュニティが安全に過ごせる支援の場として、より広い範囲での活動を目指しています。Prism は、オンラインでもオフラインでも差別がある中で、少人数のグループディスカッションの場を設けたりして、何か問題があったときに相談できる場所を提供することを目的としています。しかし、非営利団体を設立するのはそう簡単ではありませんでした。多くの人は、マインクラフトで活動する団体が当事者にとってどれほど重要であるかは理解してくれなかったそうです。それでも Prism は形となり、より多くの人が支援と居場所を得られるように、現在活動中です。

10 年以上にわたって、このコミュニティは賑わい、素晴らしいマップアートを作り、ダンスフロアで踊り、みんなを受け入れ、愛を感じることができる助け合いの場を作り上げてきました。
これからの 10 年も、さらに成長できますように！