近年、保護活動により多くの動物が絶滅の危機を脱しています。私たちがくしゃみするパンダの動画を見られるのも、保護活動のおかげと言えるでしょう。動物を救えたうえに、かわいい動画も見れるなんて万々歳ですね!しかし、保護活動の未来はどんなものになるんでしょう? 21 歳の Minecraft クリエイターである Jordn にとって、それは Hive City のような姿になるそうです。これは今まで見てきた中でも指折りのユニークさと複雑さを備えた作品です!3221 年が舞台の未来感あふれるこの島は、絶滅危惧種の地球外生命体のための保護区として、水上で堂々たる姿を輝かせています。

未来の宇宙の避難所
こちらが宇宙の絶滅危惧種の保護区です!
「何年もかけてテクノロジーが進化した結果、未来の人類は自分たち以外にも生き物がいることに気づきました。そして、新たに見つけた知的地球外生物と交流したり、会ったりし始めたんです」と、Jordn は説明します。「しかし、人類は敵意を持つ地球外生物がたくさんいることにすぐに気づきました。そこで、絶滅の危機にさらされている種を守るべく、この街を作ったのです」。

この作品についてのお話は一旦ここで止めて、Jordn ご本人についてお話しましょう。Jordn が製作を始めたのは約 5 年前、プレイヤーがクラフトスキルを磨くことに特化したサーバー「Mithrintia」と出会った時のことでした。
「Mithrintia での目標は、何でもいいので自分が考え付くもので区画を満たすことでした。区画が一杯になると、それを投稿してランクを上げ、もっと大きい区画ともっと複雑なコマンドが利用できるようになります。このサーバーの人たちは積極的に作品を見せたり、この先もっと上手くなるように意見や感想をお互い交換したりします」。
Jordn の腕前が Mithrintia のおかげなら、ぜひとも参加させていただきたいですね!と、言いたいところですが、Hive City のようなユニークな作品の作成には単にスキルがあれば良いというわけではありません。インスピレーションも必要です。Jordn が着想を得たのは、現実世界とインターネットの世界の両方でした。

「最近 Twitter で SF やサイバーパンクをテーマにした素晴らしい建築や絵をたくさん目にしていましたし、自分も SF に関連した大作に着手したいという願望があることに気づきました。Twitter で未来の街をコンセプトにしたアートを見た時、その画像の中にあった超高層ビルを自分で再現したいと思ったんです。それと、東京の写真からもインスピレーションを得ました。明るくてカラフルな様子や独特な建造物のデザインがすごくいいと思ったんです。この作品にはどこかリアリティがあるように感じてもらいたかったのですが、同時に Hive City に現実にないような面白さを加えたかったのです」。
高層ビルができると、Jordn は同じクラフターで友人の Tom(ゲーム内では Tbls として知られています)に意見を求めました。最終的に Tom はアドバイスをするには止まらず、建物にディテールを加えたり、さらには地形や街の背後にある森を作って手伝ってくれました。しかし、それでも作品はまだ完成には程遠い状態でした。何故なら Jordn の頭の中には、すでにより大きなプランが出来上がっていたからです。そこで Jordn はこの未来都市をつなぐ道路や小道を作り始めました。小さくて密集しているシンプルな建造物を加え、人が暮している雰囲気が感じられるようにしました。後は隠れた光源と看板を加えて Hive City 独特の光景にするだけでした。Jordn はこのプロセス全体を極めて単純なことのように話しますが、たとえ熟練のクラフターであっても、いつも順調に進むわけではありません。

「 Hive City にそびえるメインの建物の一つは、巨大なガラスの屋根が特徴の路面電車の駅です。見た目を満足のいくものにするために 3 回も作り直しました。路面電車の駅を作ったことがありませんでしたので、本当に苦戦しました。それも未来の路面電車の駅ですからね。中でも一番難しかったのは、路面電車の線路がきちんと機能しているように見せることです。十分な高さを出さなくてはいけませんでしたので」。

実際、Hive City はただ美しいだけではなく、本当の街として機能しているかのように見えます。路面電車の線路は街の入り組んだ構造物の間を走っていますが、構造物は全てなにかの役目を果たしているのです。例えば、いくつかの建物の側面に見える数字は、異なる種の生き物が避難している場所だということを示唆しています。
「実際に機能しているようにみえる作品を作るのが大好きなんです。現実的な機能とユニークなスタイルの両方を備えたものを作ると、すごく達成感が得られますね。だから SF のスタイルが最高に気に入ってるんです。単なる箱型や長方形ではない様々な建造物を作ったり、ディテールを施したりするときは、色々なアプローチを探求できるので楽しいです」。

著者も作ることが大好きです!でも、私の建造物はいつも醜い洞窟になってしまいます。一体何が間違っていて、どうしたら改善できるのでしょうか? Jordn によれば、良い作品の秘訣は自身の限界に挑むこと、それと根気強くやり続けることだそうです。人目を引くような複雑な作品を作るには、得意な要素だけに集中せず、異なるデザインやスタイルを試してみる必要もあるんですね。
「今は宇宙船を作るスキルを磨いています。すごい宇宙船のデザインを思いつくのは非常に難しいのですが、練習していたら様々なデザインを考えられるようになり、最近はうまくなってきたと思います。できあがった作品の見た目が良くなくてもやる気を失ってはいけない、というのが私のアドバイスです。クラフターのみなさん、自分で完璧だと思えるようになるまで、どうか作り続けてください」。
Hive City は人類の遠い未来を覗き見た作品ですが、Jordn 自身の近い将来はどんなものでしょうか。凄腕のクラフターである彼は、Minecraft マーケットプレイスのクリエイターとしてフルタイムで活躍しております。
「Hive City のようなスケールの大きい作品の製作には、多くの労力が必要になります。なので今は個人的なプロジェクトは少し休みにして、ゆっくりと仕事関係のマップに集中しています。Minecraft マーケットプレイスのクラフターとしてフルタイムで働くと、常に一定の基準を満たす作品を作り上げなくてはいけません。私たちのマップが対象にしているのは低年層のユーザーですからね。Bedrock 版のマーケットプレイスで販売されるマップを作るときは制限があるからこそ、 Hive City のような個人的なプロジェクトは、何の制限もなく好きなことを建築できる自由を味わわせてくれます」。
Jordn の創造性に制限などないことは確かですね。彼が再び個人のプロジェクトを手掛ける日を心待ちにしましょう!
タイルレンダリング提供:Deltagon
この記事を共有する