なお、タンポポは英語で “dandelion” ですが、実はその語源はフランス語です。フランスでは、そのギザギザな葉の形状にちなんで「ライオンの歯」を意味する “dent de lion” と呼ばれています。他にも英語圏では “blowball (吹き玉)” “cankerwort (病の花)” “doon-head-clock (うつむいた時計)” “witch's gowan (魔女のヒナギク)” “milk witch (魔乳)” “lion's-tooth (ライオンの歯)” “yellow-gowan (黄色のヒナギク)” “Irish daisy (アイルランドのヒナギク)” “monks-head (僧の頭)” “priest's-crown (司祭の冠)” “puff-ball (膨らみ玉)” という名称があります。さらにイタリア北東部の方言では、道の脇に育つために “dog pisses (犬の小便)” という名で呼ばれており、スウェーデンでは花の中に小さな虫が見つかる場合が多いため、”worm rose (毛虫のバラ)” と呼ばれ、親しまれています。
一方、タンポポは大昔から漢方薬の材料として、かつ食材として使用されてきました。カシミール、アルバニア、スロベニア、中国、韓国、ギリシャ、そしてセファルディム系ユダヤ人の間ではよく食べられています。カルシウム、カリウム、鉄分といったミネラルやビタミンが豊富なのが特徴です。
だからといって、道端で見つけた適当なタンポポを食べようとするのはオススメしません。一見タンポポのように見えても実は違う植物で、食用ではなくお腹を壊してしまう可能性があるためです。忠告しましたからね!食べるよりも、その美しさを目で味わいましょう。
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